今後の相場展開に関するファンドマネージャー交えたの生の声

昨日、銀座で専業投資家の飲み会がありました。

参加者は管理人と同じ専業投資家8人(全員投資歴20年以上)と、友人の大手資産運用会社に勤務するファンドマネージャー1人。

全員、10年来の友人であり、ざっくばらんに本音をぶつけあいました。

話題は先月からの相場暴落についてと、今後の相場展開についてです。

自分ひとりで考えると見落としがある場合があるので、こうした集まりは貴重です。

そういえばリーマンショックの時にも、こうして集まったな・・

 

今回の暴落の理由

この点に関しては全員が同じ意見でした。

このブログでも再三記載しているとおり、今回の暴落の原因は行き過ぎた株式へのリスク資産の集中が、VIX指数の上昇によって一時的に破綻したものという意見で一致しました。

昨年、年間をとおして平穏な相場が続いていたために、株式に対する投資家の警戒感が薄らいでいたことが背景にあるのだろうと思います。

 

これから4月末までの相場展開予想

3月末までは緩やかに戻すという意見で全員一致。

現時点の日経平均PERは12.61倍であり明らかに低すぎ。

株式のポジション圧縮はすでに峠を越えており、3月末までは緩やかに戻す相場になるという意見で一致しました。

4月の相場については意見が分かれており、このまま戻しが継続するという意見と、来期の業績見通しが出始める4月末までは停滞するという意見が半々でした。

現在の為替相場からして、日本企業の来期の業績予想はドル円の想定レートを100円~105円において出してくるという意見が多く、多くの証券会社が出している来期経常8%成長というのは楽観すぎすため注意が必要です。

証券会社は株や投資信託を売るために、いつも強めの予想を出すので、個人的には参考程度にしか見ていません。

トヨタなんかはいつも慎重なので、想定レートを100円に置いてくるのではないかと思います。

来期の企業業績に関する予想は以下のとおりでした。

・経常8%以上の成長 1人

・経常5%成長程度 3人

・経常0~5%成長 3人(友人のファンドマネージャーの意見はここ)

・経常マイナス成長 2人

 

ファンドマネージャーの視点

これから4月までの相場で注意することは、機関投資家の益出しの売りについて。

昨年、平穏な相場が続いて株式への投資割合が高くなっていたため、まだ売り終わっていない投資媒体があるのではないかと警戒感が残る。

ただ、多くの機関投資家の今年度の益出しの売買はだいたい終了していると思う。

来期に関してもある程度の利益を確保するために、4月早々に利確に動く可能性に注意が必要。

毎年、4月初めに相場が下落することが多いのは、機関投資家が益出しの売買を行うため。

新年度相場がスタートする4月初めに利益確定を行うことで、新年度の運用成績をプラスでスタートさせることができる。

これは海外の機関投資家も同じらしく、来期は相場に不透明感があるため今年は特に注意が必要とのことです。

これも4月初め時点の相場水準によって変わってくるもので、あまりに低い水準であれば無理な益出しは行わない場合もあるとのこと。

 

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来期の相場展開予想

全般的に夏前までは堅調な相場になるという意見で全員が一致。

夏場以降は、アメリカのリセッション入りの時期や日銀の緩和縮小、日本の来年の消費増税を睨んだ不安定な相場になるという意見が大多数でした。

来期の日経平均の上値予想は以下のとおりでした。

・25000円以上 1人

・24000円 4人(友人のファンドマネージャーの意見はここ)

・23000円 3人

・22000円 1人

 

いずれにしても、昨年のようなぬるま湯相場は期待できず、今回程度の相場の調整が2~3回程度あることを念頭に置くべきです。

今年はいつも以上に、資金管理に注意した運用を心がけるべきです。

 

ファンドマネージャーの視点

今後の相場のピークがいつになるかは不明ですが、数年単位でみると相場は下落する可能性が高い。

ポイントは世界的な金融正常化。日銀も今年後半からは緩和縮小に向けたスタンスとならざるを得ない。

大きなショック安があるとすれば、日米の財政赤字にからんだもの。

今後数年のうちに金融ショック的な相場暴落はないとは言い切れない。

ただ、目先でみると相場環境は良好。

日経平均PER12倍台というのは無条件に割安。

 

ファンドマネージャーの本音

今回の暴落に関しては、売られ過ぎというのがわかっていても、機関投資家は運用成績を確保するためにポジションを縮小せざるを得なかったようです。

日経平均PER12倍台まで売られた現在は非常に割安で、運用制限がない個人投資家が羨ましいとのこと。

これに対する、専業投資家側の一致した意見は、機関投資家は他人の金を運用しているだけで、損が出ても給料はもらえるし、自分の懐は痛まないじゃないかというもの。

まあ、お互い辛い事情を抱えているため、今後も仲良くやっていきましょうとの結論で、飲み会はお開きになりました。

 

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