今週は2件の新規上場があります。
先週のIPOを振り返るとともに、今週の2件について分析してみました。
まず、先週の振り返りです。
先週のIPO一覧
まず、初値について。
・ブティックス (初値)公募価格の2.37倍。
・ビープラッツ (初値)公募価格の4.54倍。
両銘柄とも公募価格を大幅に上回る初値となりました。
特にビープラッツは前評判どおり初値が高騰して、公募価格の4.54倍という高値をつけました。最近はIPOの初値が非常に高いため、新規IPOへの応募がますます過熱して行きそうです。
初値形成後の値動きは、ビープラッツはさすがに初値が高すぎたためか横横の動きでしたが、ブティックスがここ2日間連続でストップ高となりました。
4月3日引け後の日経報道で、ブティックスの社長が今後の介護M&Aの伸びしろは100倍あると語ったことが原因のようです。前評判が高くなかった銘柄だけに、今後の値動きが注目されます。
また、先週以前のIPO銘柄では、(6568)神戸天然化学、(6569)日総工産、(9270)SOU、(6572)RPAホールディングスなどがセカンダリー相場で株価を伸ばしています。
ここ最近のセカンダリー相場の傾向としては、前評判がそれほど高くなかった銘柄が、上場後の材料で株価を伸ばすケースが目立つように感じます。
(9272)ブティックス
(6568)神戸天然化学
(6569)日総工産
(9270)SOU
(6572)RPAホールディングス
続いて、今週のIPOについて。
今週のIPO一覧
前評判は(6574)コンヴァノが高いようです。
最近のIPOセカンダリー相場は、前評判が高い銘柄がそのまま上昇するケースよりも、前評判がそれほどでもない銘柄が上場後の材料などで上昇するケースが多いため、慌てて初値を買う必要はないように感じます。
初値形成後の値動きを見てから購入するほうがリスクも低く、セカンダリー相場で利益を上げやすいと考えています。
IPO銘柄をセカンダリー観点で独自分析
近年の業績推移は増収増益傾向であるものの増加幅は小幅です。
<ヒューマン・アソシエイツHLDの業績推移>
公募価格における予想PERは20.4倍。
業績推移からは妥当に感じます。
<ヒューマン・アソシエイツHLDのロックアップ>
小さなVCが存在するものの、全般的には180日間のロックアップがしっかりかかっています。
短期セカンダリー相場視点での独自評価
業績は増収増益傾向で推移しているものの、やや頭打ち感が感じられます。
ただ、人気化しやすい業態ですので初値が高くならなければセカンダリー相場でもそこそこの上昇が期待できそうです。
初値があまり高くならないという前提で、独自評価は「〇」としました。
短期セカンダリー相場視点での独自評価:〇
初値を購入してもいい目安(独断):公募価格の2.0倍以内
(6574)コンヴァノ
コンヴァノは、ネイルサロン「ファストネイル」などの運営を手掛けており、18年1月末現在で45店舗を展開しています。
ネイリスト育成のための社内教育研修が充実しており、未経験者でも採用後最短1ヶ月にて店舗勤務が可能となる体制を構築しているようです。
IPOで得た資金で人材確保や新店舗の出店を行うようです。
業績は増収増益で推移しており前評判も比較的高い銘柄ですが、今回の上場はファンドのEXIT的な匂いを感じます。
<コンヴァノの業績推移>
公募価格における予想PERは23.6倍。
業績推移からして妥当な水準に感じます。
<コンヴァノの株主構成&ロックアップ>
VCの保有割合が非常に高い銘柄です。
コンヴァノは過去にファンド資金で再生した経緯があり、今回の上場はファンドのEXIT的な匂いを感じます。
短期セカンダリー相場視点での独自評価
事前評価が比較的高い銘柄ですが、VCの保有割合が高すぎるのが気になります。
関連筋がVC売り抜けのために初値を引き上げてくることも考えられますので、初値が高くなった場合は様子見が賢明です。
ただ、将来性が比較的良好であり、吸収金額の小さい銘柄ですので、セカンダリー観点では、VCの売りを吸収して上昇するだけ人気化するのかを、まず見守りたいと思います。
管理人の方針は基本的に「見送り」。初値を買っていいのは、VC爆弾を警戒して初値が低くなった場合のみと考えています。
高値を掴まされてVC爆弾の餌食になることだけは避けたいものです。
短期セカンダリー相場視点での独自評価:×
初値を購入してもいい目安(独断):公募価格以内
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