(6467)ニチダイ【仕手株回想録】

投機資金が流入して大きく上昇する仕手株。

初動付近で乗ることが出来れば大きな利益を得られますが、高値で掴んで逃げ遅れた場合は大損害を被ります。

このブログでは、今後、大暴騰を演じた仕手株について時々振り返ってみようと思います。

 

今回の仕手株回想録は、

(6477)ニチダイ

現時点においては、今年最大の仕手株です。

ニチダイは独立系金型メーカーであり2018.3期の業績は好調、また技術力にも定評がありますが、昨年まではどちらかというと地味な存在でした。

昨年の大納会(2017.12.29)の終値は631円でしたが、そこから仕手化して3月16日のザラバ中に3,980円をつけます。
3か月半で最大6.17倍まで上昇しました。

さほど大きな材料がない割には、短期間でよくここまで化けたものだと思います。

 

株価推移

<ニチダイ 日足>

 

□1月のじり上げ(日足チャートの「黒囲み」部分)
昨年の大納会(2017年12月29日)の終値は631円でしたが、今年に入ってじわじわと上昇しています。
この時期の上昇は仕手筋の仕込みもありますが、大部分は好業績に期待した一般投資家の買いが入ったのだと思います。
この時期にもし購入できていれば、大きな利益に繋がっていたことでしょう。

□上昇第一弾(1月29日~2月2日)(日足チャートの「赤囲み」部分)
1月29日から出来高を伴った上昇が始まります。
1月29日の初値は925円でしたが、2月1日の終値は1,737円です。(4日間で約2倍に上昇。)
明らかに仕手筋の仕掛けで株価が急騰しています。

ここまでの仕掛けは2月1日の3Q決算に向けた仕掛けだったのだと思います。
予想どおり3Q決算の内容は予想を上回る内容でしたが、3Q決算明けの2月2日は手仕舞い売りもあり株価は上昇しているものの日中足は陰線でした。2月2日の終値は1,797円
通常の仕手株であれば、2月2日の手仕舞いで仕掛け終了となることが多いものです。
恐らく最初の仕手筋の一部は2月2日に売り抜けていたはずです。
ただ、ニチダイはまだ終わらなかった。

□上昇第二弾(2月5日~2月中旬)(日足チャートの「緑囲み」部分)

2月5日~2月7日に大きな出来高を保ちながら、第二弾の上昇が始まりました。
2月7日の終値は2,670円
この上昇は、2月2日から新たに参入した筋が上げたものだと思います。
Twitterの大物投資家の買い煽りが激しくなったのもこの頃からです。
2月8日~2月20日ごろまでは、売り抜けにより下落の兆しを見せたことがあるものの、新たな買いが入り続けて株価は上昇基調を保ちました。
2月20日の終値は2,909円。

□静寂期(2月下旬~3月上旬)
2月21日から3月上旬にかけては出来高が少ない日が続きますが、Twitterの買い煽りが盛んなためか株価の崩れはありません。
個人投資家のなかには、この頃から買い始めた方も多いようです。
2月2日から入った仕手筋はこの期間に少しづつ売り抜けていたのだと思います。

□上昇第三弾(3月中旬)、総仕上げの上昇から大暴落へ(日足チャートの「青囲み」部分)
3月上旬までに恐らく仕手筋は大部分の売り抜けを完了済であり、3月上旬の保有者は個人投資家がメインであったことでしょう。
このまま放置すれば、株価はこの後緩やかに下落して行くことが多いものですが、すでに利確して十分な利益を稼いでいた仕手筋は、最後の仕上げに取り掛かります。
それが3月12日から3月16日までの急上昇です。
この期間はTwitterの買い煽りも盛んであり、値動きが大好物の投機家の提灯がたくさんついたことでしょう。
3月19日の長い下ヒゲは、仕手筋が総仕上げに買った玉の利益確定売りと、今後の急落に備えた売り玉の仕込み、そうとは知らない個人投資家の提灯買いだと思います。
ここで買った個人投資家が、その後の急落での一番の被害者となりました。
3月20日から3月23日までは、株価がじり下げで推移し、3月26日に大口の個人投資家が一気に手じまったことで大暴落が始まります。3月30日の終値は1442円
3月26日の始値3,295円から3月30日の終値1442円まで、わずか5日間で56%の急落となりました。

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ニチダイの仕手化ランクは「SS」

ニチダイは業績が好調ではあるものの、さほど大きな買い材料がないにもかかわらず、3か月半で最大6.17倍まで上昇した仕手株となりました。
管理人が独断でつけた仕手化ランクは「SS」

大きく儲けた投資家がいる一方で、致命的な大損害を被った投資家もいるようです。

Twitterの買い煽りなどにはくれぐれも注意が必要です。

管理人が株を始めた20年前から「大口が買い上げている」銘柄だから推奨という買い煽りが存在しました。

「大口が買い上げている」ということは、裏を返せばいずれその大口が必ず売り抜けるということです。

「大口が買い上げている」という買い煽りに乗るのは、上昇初動のときのみ有効です。

管理人も仕手株を時々触りますが、仕手株を触るときはマネーゲームであるということを認識した上で、数々の買い煽り記事などの真意を十分に吟味したいものです。

 

ニチダイの株価は4月に入ってからも下落を続け、4月17日に1,117円の安値を付けた後は横々で推移していましたが、5月1日の本決算を受けて昨日5月2日は10.1%の上昇となりました。

5月2日の終値は1,309円。

今後上昇が続けば、日足チャートは鍋底型の復活型チャートを描く可能性も残されていそうです。

ただ、あくまでもニチダイは仕手株。

もし、これから購入する場合はマネーゲームであることを十分に認識する必要がありそうです。

 

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コメント

  1. みほ より:

    株を始めたばかりなので、こんな仕手株があるとはびっくりしました!今の私には向いてないと思うので気をつけます(^^)
    またまた勉強になりました‼︎

    • whitegold より:

      仕手株には注意して下さい。
      業績の裏付けがないのに不自然に上昇を続ける場合は仕手株の可能性が高いです。
      タイミング悪く購入すると大損害を被ります。