投資家と証券会社、証券取引所の株式への目線の違い

投資家が株式を見る目線は、その株式が上がるか下がるかだけです。

醒めた表現をすると、その企業がどういう業種で、どのような経営をしているかは問題ではありません。

経営者、財務、業績、PERなどの指標は、すべてその株式が将来上がるか下がるかを推測するための材料にすぎません。

株式への投資は利益を得るために行うものですから、上がりそうか下がりそうかという視点だけで株式を見ます。

 

これは、競馬に通じるものがあります。

競馬では、過去の成績やコース適正、調教状態、騎手などを材料として予想し、当たりそうな馬券を購入します。

その馬自体が気に入って馬券を購入することは稀でしょう。

極端な話、馬の名前も関係なく、走るゼッケンに投票するようなものです。

馬装具をすべて取り除いて裸にした出走馬を並べて、あなたが投票した馬はどれですかと質問されたら、よほどの通でない限り答えられないことでしょう。

但し、競馬はテラ銭が高いため、一般的に投資にはなり得ませんが。

ちなみに管理人は、有馬記念しか競馬はやりません。

 

話がそれましたが、証券会社にとっての株式とは何でしょう。

証券会社は自己勘定での株式売買を行いますので、その意味では投資家です。

ただ、利益の多くは一般投資家の売買手数料によるものであり、その意味では株式は商品です。

投資信託なども同様で、一般投資家に沢山売買されるファンドが証券会社にとってはいい商品であり、上がるか下がるかは関係ありません。

証券会社にとっての株式とは投資対象でもあり、商品でもあります。

 

では、東証などの証券取引所はどうでしょう。

証券取引所は株式売買を取りまとめる親玉です。

上場株式などを証券会社などの市場参加者を通じて、公正に投資家に売買させるための機関です。

利益の源泉は、株式やETF、先物などの売買手数料や、上場会社の手数料、arrownetと呼ばれる取引システムの利用料などです。

証券会社は自己勘定で売買するので、投資家の要素を持ち合わせますが、証券取引所は株式の売買を行わず、売買する場を提供することで利益を得ていますので、株式は商品そのものと言っていいでしょう。

商品そのものであるため、株式が上がるか下がるかは関係なく、出来高が重要となります。

 

このように、一口に株式と言っても、関係者の立場により目線は違うものです。

 

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