今週は3件の新規上場があります。
先週のIPOを振り返るとともに、今週の3件について分析してみました。
まず、先週の振り返りです。
先週のIPO一覧
4月20日に上場したHEROZは、初日は当然のことながら初値がつきませんでした。
上記は引け後の板です。
買い需要が圧倒的に強い状況であり、これは明日(4月23日)も寄らない可能性が高いように感じます。
初値があまりにも高くなり過ぎるようだと、セカンダリー的には狙えない可能性も出てくるため、どうなるか注目しています。
続いて、今週のIPOについて。
今週のIPO一覧
今週上場する3銘柄は、それぞれ個性的で面白そうです。
アイペット損害保険は近年の業績推移は増収増益であるものの、2018.3期は一時的な特損で赤字。これで人気が下がるなら買い妙味となるのですが、主要株主がVCだらけで危険な匂いを感じます。
ベストワンドットコムは国内外のクルーズ乗車券を手がける話題のIPOで、かなりの人気化が予想されます。
エヌリンクスはNHKの受信代行で成長中で、これから業態を広げて行くようなので、安く寄るならセカンダリー的に妙味がありそうです。
IPO銘柄をセカンダリー観点で独自分析
2018.3期はシステム開発計画変更による特損計上で一時的な赤字でしたが、ペット保険市場は今後も成長余地があり将来性も良好です。
ただ、ペット保険の伸びは一時期に比べると成長が鈍化しているように感じられます。
同業態で急成長した(8715)アニコムHLDの株価水準が参考となりそうです。
<アイペット損害保険の業績推移>
2018.3期はシステム開発計画見直しによる特損で赤字。
公募価格による来期予想ベースでのPERは46.4倍となります。
業績推移から見るとやや割高に感じます。
<アイペット損害保険のロックアップ>
主要株主はVCだらけです。
ロックアップの状況からは、非常に高い確率でVC爆弾が炸裂しそうに思います。
短期セカンダリー相場視点での独自評価
VCが多く初値形成後のVC爆弾に注意が必要です。
ペット保険市場は今後も伸びそうですが、ファンダ的には同業態の(8715)アニコムHLDの四季報の来期予想PERが32.0倍であることも強気になれない理由です。
初値吊り上げからのVC爆弾が警戒されますので、独自評価は「×」としました。
短期セカンダリー相場視点での独自評価:×
初値を購入してもいい目安(独断):見送り
(6577)ベストワンドットコム
ベストワンドットコムは、クルーズ旅行に特化したオンライン旅行会社として、主に個人顧客をターゲットに、海外・国内クルーズの乗船券やパッケージ旅行の販売を展開しています。
販売チャネルをインターネットに限定しており実店舗がないので、店舗運営等のコストがかかりません。
顧客の要望に合わせたクルーズ商品を次々と発表しており、今後、経済的にゆとりのあるシニア世代が増加するという事情を考えると将来性は非常に高そうです。
<ベストワンドットコムの業績推移>
近年の業績推移は増収増益で推移しています。
公募価格における予想PERは34.0倍。業績推移からは妥当な水準に感じます。
<ベストワンドットコムのロックアップ>
全般的には180日間のロックアップが広く設定されています。
一方、初値形成後すぐに売却可能となるVCも20%弱存在します。
短期セカンダリー相場視点での独自評価
将来性が高く人気化しそうな業態であるため独自評価は「〇」としました。
事前評価が高く初値は高騰しそうですが、セカンダリーでもそこそこ上昇しそうです。
初値が高くなり過ぎた場合は注意が必要ですが、初値形成後の値動きを見ながら購入を検討したい銘柄です。
短期セカンダリー相場視点での独自評価:〇
初値を購入してもいい目安(独断):公募価格の3倍以内
(6578)エヌリンクス
エヌリンクスは、NHKの放送受信料の契約・収納代行が主業務です。
現時点で同業務が売上高全体の8割強を占めています。
近年は、新たな業態としてお部屋探しの「チャット不動産」、ゲームの攻略サイト「アルテマ」を展開しています。
特に「アルテマ」は要注目で、平成30年2月末において全56タイトルのゲームの攻略情報を掲載しており、月間PV数は約1億PVまで急増しています。
<エヌリンクスの業績推移>
近年の業績は増収増益で推移しています。
公募価格における予想PERは15.7倍。業績推移から割安に感じます。
<エヌリンクスのロックアップ>
VCが存在せず、90日間固定のロックアップがほぼ完全に設定されています。
短期セカンダリー相場視点での独自評価
業績推移が安定しており、ロックアップも強固であるため独自評価は「◎」としました。
初値がそれほど高くならないようであれば、セカンダリー的に期待できそうです。
個人的に今週上場の3銘柄のなかでは一番期待しています。
ただ、同じことを考える投資家も多いと思われ、初値がどのくらいとなるのか注目しています。
短期セカンダリー相場視点での独自評価:◎
初値を購入してもいい目安(独断):公募価格の2倍以内
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