本日の日経ヴェリタスに、「空売りファンド上陸の波紋」という記事が載っていました。
記憶に新しいところでは、アメリカのシトロンリサーチが、サイバーダインの株式に対して、85%の値下がり余地があるとのレポートを出し、自らもサーバーダイン株に空売りを仕掛けました。
サイバーダインの株価は、この空売りレポートが出る前は2,100円前後であったものが、現在は1,600円前後まで、約24%ほど下落しています。
空売りレポートは、最近、増加傾向にある企業の会計不祥事や過大すぎる業績予想に対して警鐘を鳴らし、市場の規律を高めうる正当な行為との見方も一部にはあるようですが、管理人は、明らかに相場操縦に該当する法令違反ではないかと考えています。
一部のバイオ系銘柄などもそうですが、サイバーダインの株価は、将来の高成長を見込んで、現状の業績から見ると、かなり過大に評価されていることは事実だと思います。
しかしながら、株式への投資は、もともと企業の成長性に賭けてお金を投じるものです。
株価が割高と考えるのなら、黙って空売りすればよいはずです。
市場の動揺を狙って、レポートを出し、自らも空売りするという行為は、どう考えても相場操縦に該当するのではないでしょうか。
このような事を防ぐには、株価評価のレポートを出す会社は株式の売買は禁止、株式の売買をする会社は株価の評価レポートは出せない、などの規制をすればよいのではとも思いますが、そうすると、裏で情報のやり取りをする新たな不正なども発生しそうですし、完全に防止するのは難しいですね。
それに、大手証券のレーティングに関するレポートなんかも、似た性格をもつものと思いますし。
管理人は、昨日の記事「投資と投機の違い」の中で、現在の相場環境では、投資よりも投機が安全と思えなくもないと書いたのですが、このような事件が起こることも根拠のひとつです。
このような事件は、株式投資という行為への信頼性を低下させることは確かでしょう。
日本人の株式保有率が上昇しない一因でもありそうです。
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