TATERU問題発生以降、不動産銘柄の厳しい下落が続いています。
ここ最近の不動産銘柄の下落は下記が原因だと考えられます。
・マンション販売価格が下落傾向にあること。
・TATERU問題による今後の銀行融資厳格化の、業績への悪影響の織り込み。
・アメリカ金利の上昇による不動産セクターへの売り圧力。
代表的な銘柄の最近6か月間の株価推移をみてみます。
<TATERU 日足>
まずは、主犯のTATERUです。
口座残高の偽造問題が発覚する直前である8月31日の終値は1606円、10月5日の終値は615円ですので、わずか1か月余りで61.1%の暴落です。
まあ、この下落幅は主犯なのでやむを得ないといったところでしょうか。
<シノケングループ 日足>
頭金ゼロでアパート経営というビジネスモデルが、TATERU問題と酷似しているため、シノケンも急落しました。
8月31日の終値1745円、10月5日の終値1140円ですので、34.6%の下落です。
但し、今期の業績自体は好調で、四季報予想ベースの今期PERはなんと4.51倍です。
次の決算は、そこそこの数字が出てきそうですが、今後の株価はどう動くのでしょうか。
<GAテクノロジー 日足>
TATERUが出資していたこともあり、この銘柄も大きく下げました。
8月31日の終値5460円、10月5日の終値3220円ですので41.0%の下落です。
現状はTATERUの持ち株は全て売却済で、一時大きく出資していたレオスもTATERU問題以降にほどんど持ち株を売却済です。
TATERUとはビジネスモデルが異なり、中古不動産専門、AIを利用した画期的なアプリ「リノシー」運営、物件ごとのクラウドファンディングも立ち上がり、ちょっと売られ過ぎの印象も。
<カチタス 日足>
ここも下げました。
8月31日の終値3570円、10月5日の終値2995円ですので、16.1%の下落です。
中古マンション再生事業で業績は伸び続けており、TATERUとはビジネスモデルが異なります。
最近の下落はTATERU問題というよりは、不動産セクタの下落に同調した感じでしょうか。
<野村不動産 日足>
最後に大手の株価を確認。
8月31日の終値2409円、10月5日の終値2246円ですので、6.7%の下落です。
TATERU問題とは当然無関係ですので、ここの株価の動きが最近の不動産セクタ全体の流れを象徴している感じでしょうか。
最近の不動産セクタは逆風にさらされており、今後の業績への悪影響なども懸念されますが、例えば中古不動産市場は今後大きく伸びる市場であり、個別に見た場合には売られ過ぎと感じられる銘柄もあるように感じます。
不動産銘柄のなかには、今が仕込み時の銘柄が含まれているのではないでしょうか。
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