今年も3月の権利取り日が近づいてきました。
上場企業の決算月は3月が最も多く、資本金10億円以上の企業では実に約7割の企業が3月を決算月としています。
これから3月の権利取り日までの期間は、権利取りを意識した株式の売買が行われることも多くなります。
権利取りの主な目的は配当金にありますが、株主優待が楽しみな方も多いことでしょう。
日本における株主優待制度
この株主優待制度ですが、日本独特の習慣です。
正確には外国企業にも株主優待制度を設けているところもありますが、その数は極めて少なく、株主優待制度は日本独特の習慣と言っていいものです。
理屈で考えれば、株主優待制度など設けずに。その分、配当金を割り増しすれば済む話です。
企業側からすれば、株主優待を送付する手間や人件費、送料がかかり、配当金増額のほうが簡単で経済的なはずです。
また、株主側からしても、株主優待分を上乗せして配当金としてもらったほうが、自由に使えて利便性が高いと思われます。
株主側から考えても企業側から考えても、一見、非合理的に映る株主優待制度ですが、日本ではなぜ、ここまで広まったのでしょう。
株主にとっての株主優待制度とは
株主にとっての株主優待制度は、一種のステータスのようなものです。
その株を保有している人間だけが得られる特別なものですので、株主として優遇されているという満足感につながります。
日本人は「特別」が好きなのです。
また、日本人は贈り物がとても好きな民族ですので、配当金への上乗せという無機質な形よりも、配当金とは別にプレゼントとして貰ったほうが、満足度が高いと感じる方が多いようです。
企業にとっての株主優待制度とは
企業にとっての株主優待制度の目的は、株主の数を増やし、株価を維持することにあります。
企業業績が振るわない年でも、株主優待目当てで株式を購入してくれる方がいますので、業績が低下しても株価の過度な下落を抑えることが可能になります。
また、株主優待として自社製品の割引券や、飲食券などを出している企業にとっては、自社の売り上げを上げる、自社の宣伝をするという効果もあります。
日本で株主優待制度が広まった理由は、プレゼントを貰うことが好きな国民性と、それを利用した企業側の思惑がマッチした結果なのです。
海外の機関投資家は、 株主優待など出さずに配当金を上乗せしてほしいと考えているようです。
管理人は・・
理屈では配当金上乗せでも同じであることは理解していますが、やっぱり貰い物はうれしいと感じます。
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