このところ軟調な相場が続いていますが、現時点の業種別の騰落動向を確認してみました。
下記は四季報オンラインで公開されている業種別株価指数を、前月比の騰落率が高い順にソートしたものです。
前月比でみると上昇した業種は、33業種中わずか5業種のみでした。
ちなみに、前月比で上昇している業種は下記の5業種。
・空運 +9.23%
・電気ガス +2.20%
・繊維製品 +2.09%
・小売 +0.99%
・陸運 +0.92%
空運の上昇率が高いのは、7月~9月の台風被害による関空の閉鎖や、9月の北海道地震の影響で、夏場に大きく下落していた株価が戻ったためだと考えられます。
逆に下落のトップ5は以下のとおりです。
・石油石炭 -20.02%
・鉱業 -11.62%
・情報通信 -10.33%
・ガラス土石 -9.95%
・その他製品 -9.55%
石油石炭は、1か月で20%以上も下落しています。
鉱業、情報通信、ガラス土石、その他製品も1割前後の大きな下落。
相場環境が悪いとはいえ、1か月間で業種別指数のこの下落幅は大恐慌レベルの数字です。
直近1か月では、空運を除くと上昇した4業種の上げ幅は小さく、他の28業種がすべて下落したという惨憺たる状況です。
これでは、ほとんどの投資家はこの1か月で大きな損失を負っていることでしょう。
今の日本の株式市場では正攻法は通用しません。
ちなみに、管理人も確定損益はプラスですが、中期目線で保有している銘柄の含み損益は酷いものです。
最近の相場を見て感じることは、日本の株式市場は狂っているということです。
近年の貸株制度の普及により、機関投資家は空売りを行うための現物を十分に確保している為、目先の利益追求のためになりふり構わず空売りを入れています。
日々の空売り比率が常時40%を超える市場なんて、世界で日本しかありません。
こんな状況でも、出来高優先の東証は見て見ぬふりです。
売り込まれるテーマは異常値までとことん売り込まれ、半導体や設備投資関連、不動産関連などでは、通期上方修正&最高益更新にもかかわらず翌日ストップ安になった銘柄も散見され、今期PERが4~6倍まで下がっている好業績銘柄も多数あります。
こんな状況では、長期で株に投資する投資家は減ることでしょう。
今の相場で利益を上げるには、異常値まで下がった銘柄を少しづつ拾う戦法が有効だと考えています。
空売りはいずれ買い戻しが入るため、下げ過ぎた銘柄を拾ってじっくり待つ。
数少ない上昇銘柄の上値を追って急落のリスクに怯えるよりは、既に異常値まで下落した銘柄を購入して水準訂正を待ったほうが、リスクも小さく安全です。
12月にはソフトバンクの通信子会社の大型上場があります。
調達額は2兆6000億円。
この時期に、こんな大型上場があるとは、相場の重しでしかありません。
任天堂などは既に下げ始めていますが、おそらく、今後は大型値嵩株が換金売りで急落することになると思います。
コメント
価値のない癖に値あがってる株は攻撃されても仕方ないと思います。逆に価値があるのに空売りしてくれるなら阿呆なので拾いにいけば良いのではないでしょうか。
私もそう思います。
今は空売りで下がり過ぎている株は、拾うチャンスだと思います。
いつも勉強させていただいております。
日本人の意識が「投資」に向くのはだいぶ先でしょうね。確かに空売り比率がこんなに続くのは異常としかいいようがない。
日経が史上最高値をこえるのは一体いつなのでしょうか。
日経平均の史上最高値更新。そんな日が来ればいいですが、来るとしても数十年先ではないでしょうか。
きらくさんのブログ読んで、親近感を覚えました。私の今の相場観と同じで、狂っていると感じて、一旦、ポジションを全てはずしました。
今は2つのシナリオを想定しています。
①相場がいずれ落ち着くことを前提に、異常値まで下がった株を少しずつ拾う。
②相場が下落していくことを前提に、カラ売り候補を選定しておいて、テクニカルで空売りする。
いまのところ相場の方向性が定まっていないので、どちらのシナリオでも動けるようにウオッチング期間と定めました。
定年後に専業トレーダーになるつもりですので、こうした相場でも勝てるトレードを身につけるべく勉強中です。
このブログ、これからも応援します。
私も今は、つかず離れずで様子見のスタンスです。
異常値まで売られるものがあれば少しづつ拾ってゆきたいと思っています。
しばしばサイト拝見させてもらっています。もっぱら長期投資で、
ちょこちょことはやりながら、セミリタイアを目指す40代です。
ここ数カ月の資産へのダメージは相当なものです。
企業価値の有無をどこまで証券会社(システム取引、AI)が判断しているかも
疑問です。
機関の(システム)取引は、ともすれば阿呆であるにも関わらず、
日本の株式市場は無策であり、相当量の資金(空売り資金)が投入され続ける
ことが原因である、と思うこと止みません。
大谷吉継であれど、小早川秀秋には勝てないわけで。
蛇の道は蛇ではなく、真っ当な投資をしたいのですが、これでは。。ですよね。
貸し株制度を廃止するべきではないかと個人的に思っています。
わずかな金利を得るための貸し株制度が、機関の大規模な空売りにつながり、結果的に投資家の大きな損失につながっているのが現状ですので・・