相場を脅かす伏兵 原油価格の下落

現在の株式相場を脅かす懸念材料の一つが原油価格の下落です。

WTI原油は10月初旬には1バレル75ドル前後でしたが、その後に下落を続けて現在は57ドル近辺まで下げています。

<WTI原油 日足>

 

11月16日のロイターの記事によると、現在の原油は生産増とアジア景気減速懸念で歴史的な供給過剰の状態だそうです。

【ロイター】原油が記録的供給過剰に、生産増とアジア景気減速で

 

原油価格の下落が加速した場合の株式市場への悪影響として思い出されるのが、2016年初頭のオイルマネー売りによる株価下落です。

サウジアラビアなどの産油国は国の財政を原油に頼っており、原油価格が極端に下落した場合は財政の穴を埋めるために、世界中へ投資している株式などの資産売却に動く可能性があります。

2016年初頭のケースでは、WTI原油が一時1バレル30ドル以下まで下落したことで、株式市場ではオイルマネー売りが加速し、日経平均は11月下旬の19000円台後半から2月初旬には15000円台前半まで急落しました。

 

<WTI原油 週足>

<日経平均 週足>

 

原油生産の採算ラインは、
・中東の陸地 1バレル30ドル
・北米のシェールオイル 1バレル60ドル
・カナダのオイルサンド 1バレル70ドル

と言われているだけに、中東の採算ラインから見るとまだ余裕があるものの、1バレル50ドルを割れてくるようだとそろそろ危険ゾーンと考えられます。

 

まあ、原油価格が下がり過ぎると先に採算割れする北米やカナダの原油生産が止まりますので、需要と供給の原理により下値は限られるはずなのですが・・

 

心配なのはトランプによるサウジ締め上げ激化です。

カショギ記者暗殺問題が長引くようであれば、サウジとしても原油生産や株式などの資産売却で対抗してくるかも知れません。

アメリカとしても極端な原油価格の下落はアメリカ経済に悪影響を及ぼすため、カショギ記者暗殺に対する倫理問題との駆け引きが難しいところだと思います。

 

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コメント

  1. ようしん より:

    原油に関しては、2019年4月までは供給過剰が続き、石油価格は下がると予測されています。
    景気減速も鮮明になるので、ますます相場環境は悪くなるでしょう。