英ブレグジットの現状を整理

昨夜、英のEU離脱についてメイ首相率いる英政府がEUとまとめた離脱案が下院で否決されました。

英ブレグジット問題は今後どうなるのか。

現状を簡単に整理してみました。

 

まず、今回否決された離脱案について。

今回否決された離脱案は、英政府がEUと事前に合意していたものでありイギリスは今年3月29日にEUを離脱して、その後21ヵ月間の移行期間内に通商協定などを交渉する計画でした。

EU側は今回の離脱案に関して、精一杯イギリスへ譲歩したものだとしており、これ以上の妥協案を出すことはないと語っていました。

つまり、今回否決された離脱案は、英政府がEUとぎりぎりの調整のもとに作成した最終案と言うべきものなのです。

 

昨夜の議会採決の状況について。

・賛成 202票
・反対 432票

昨夜の議会採決は、英政府にとって屈辱的なものとなりました。

230票差での否決は、政府側にとっては史上最悪だそうです。

 

反対勢力の面々は。

・労働党

まず、この混乱に乗じて政権奪取をもくろむ最大野党「労働党」。

労働党に関しては、議案がどうであれ政府案に友好的に振舞うことはないでしょう。

この辺は日本の国会と同じです。

その他、純粋に離脱案に反対する勢力の考えは以下のとおりです。

・離脱協定の内容に反対

・ブレグジットを中止したい

・国民投票のやり直しを訴える

・合意なきブレグジットを強行したい

 

離脱案否決を受けたEUの反応。

欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長は、昨夜の離脱案の否決をうけて次のように語っています。

・否決された離脱案は秩序ある離脱を保証する唯一の方法だった。

・イギリスはどうしたいのか。早急に意図を明確にしてもらいたい。そろそろ時間切れだ。

 

今後のスケジュール。

昨夜の離脱案否決後、労働党は政府に対する不信任案を提出しました。

日本時間17日午前4時に投票が行われ、採択されれば総選挙が行われる可能性が高まります。

この不信任投票が否決された場合は、メイ首相は離脱案の代替案を21日に下院に提出し、再審議されることになります。

ただ、昨夜大差で否決されたことや、それを受けたEU側の反応をみると、21日に代替案を提出したとしてもすんなり可決されることは難しいと思います。

 

英ブレグジット問題は、まだまだ収束しそうにありません。

管理人の考えとしては、国民投票のやり直しを行い英国民の民意を再確認するしかないのではないかと思います。

国民投票のやり直しに関しては、一度実施したことをやり直すのは民主主義の根底を覆すものだとの反対意見があるようですが、当時と今とでは状況が大きく変わっているため、そんなことを言っている場合ではないと思います。

 

混迷を極める英ブレグジット問題。

投資家としてはしばらく株式市場とポンド絡みの為替の動きに十分な注意が必要です。

 


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